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ツアー報告

Tour Report

西伊豆 田子 TDIエクステンディッドレンジダイバーコース

テクニカルダイビングコース


週末のテクニカルコースは、引き続きTDIエクステンディッドレンジダイバーコースです。
北陸越前でコース開催予定でしたが、海が荒れてしまったため、西伊豆の田子に実習地変更です。




TDIエクステンディッドレンジダイバーコースは、深度55mまでAIRで潜ることができる能力を身につけるコースです。
トレーニング内容としては、トライミックスダイバーと同等のスキル、もしくは、それ以上の能力が求められるコースです。






このコースのキーポイントは、まずは複数のガスをMODを守って、的確に扱える能力です。そしてチームダイナミクスを働かせて、ランタイムどおりにダイブプランが実行できること。このふたつですが、それだけでは、安全なディープエアダイビングは行えません。
不測の事態に対して、対応できる能力を身に着けることも大事です。不測の事態とは、そんなことは起こらないでしょう~?と思うようなことってあると思いますが、テクニカルダイビングの場合は、深度が深かったり、洞窟の奥深くだったり、すぐに地上に戻れる環境ではありません。ただ平常時に対応できるから、完成ではなくて、もしもの時に、対応できる能力を養っておくこともとても大切です。






このコースは、ダイバーとしての能力を最大限発揮できるようにしていきます。
テクニカルインストラクターとして、大切なのは、一番目はテクニカルダイバーさんたちの能力が最大限引き出せるように最適なアドバイスをすることです。もうひとつは、順調に無難にコースを修了させることが大切ではなく、コース中にあらゆるトラブルを誘発して、ダイバーさんたちがトラブルに対応したり、自分たちのウイークポイントに気づかせてあげること、そしてその改善策を考えてもらう。必要に応じてアドバイスをしていくことだと思います。ダイバーさんたちが、実際のテクニカルダイビングで安全に楽しんでいただくために、このトレーニング中に、たくさんの失敗があったほうが有益です。
たまにドSですね。と言われますが、違うのです。その方のテクニカルダイビングが安全で快適なものになってほしいから、その人が抱える内在するリスクを解消してあげるための手段なのです。これがインストラクターとして、本当の優しさだと思っています。

他のスポーツや様々な活動をしていても同じなのですが、完全に安全な世界はないわけで、いまいる環境下で、どんな能力を身につけておけば、高い安全性が得られるのかが大切です。

ダイビングは決して難しいスポーツではありません。数日のトレーニングでダイバーになれます。
しかし自分の能力に対して、不足する部分を補ってくれる環境がなければ、安全とは言えません。
テクニカルダイビングは、一般的なダイビングと比べるとよりリスクのある環境です。ダイビング自体を自己完結して、なにかあっても対応できるという側面と、そしてもう一つは自己完結しているチームメンバー同士で、相互依存できるという側面、この二重の安全を確保することで考えられています。これは探検家的なレベルのテクニカルダイビングではなく、TDIが範囲としているレクリエーションとしてのテクニカルダイビングの考え方です。よって探検家レベルを目指すテクニカルダイバーのみなさんにも、より安全とはなにかを知ってもらことが大切で、このあたりの考え方はよく理解してほしいと思っています。

今回のメンバーも目標する能力をこのコースの中で、大きく成長させることができました。
本気でトレーニングして、遊べる環境を拡張できたら更なるワクワクを体験できます。

Safe Technical Diving!!


ついにTDIから日本語版の『エクステンディッドレンジ&トライミックスダイバーマニュアル』が完成しました。
日本語としてこれだけの内容が盛り込んであるマニュアルはなかなかありません。読み物としても面白いですよ。
evisオンラインショップからも購入できます。



written by かとう だいすけ