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生物図鑑

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【アオリイカ】©zukankun©Kyu Furumi

[撮影者]西伊豆 井田 <2007.5.21>[撮影者]山下将司


[学名]Sepioteuthis lessoniana 
[分類]軟体動物門-頭足綱-十腕形上目-ツツイカ目-ヤリイカ亜目-ヤリイカ科-ヤリイカ亜科-アオリイカ属
[和名]アオリイカ 障泥烏賊
[英名]Bigfin Reef Squid

標準和名のアオリイカは漢字では「障泥烏賊」と書き、ひれの色や形が障泥(あおり)と呼ばれる馬の胴体に巻く泥よけの馬具に似ることに由来します。
日本沿岸に分布するイカとしては大型の部類で、大きいものでは胴の長さが50cm以上にもなります。
食用や釣りの対象としても人気があり、刺身・天ぷらなどにすると美味♪
普段は深場に生息していますが、春から夏にかけて、産卵のために海岸近くの浅場へやってきます。
海藻や岩の隙間に卵を産み付ける習性を利用し、人工的な産卵床を作ってアオリイカを集める「栽培漁法」が行われていますが、最近ではこの産卵床をダイバーのために入れているポイントが数多くあります。
そのため、日中、それも水深8〜15mの浅場で、アオリイカの産卵シーンをじっくり観察することができるのです!
5〜7月が産卵の最盛期で、多いときは数十匹以上が群れをなして産卵にやってきます。(水中では匹で数えます。水揚げされると一杯二杯と数えます。)

オス・メスがペアで産卵床に近づき、オスは左腕を使って、精子の入ったカプセルをメスに渡し、メスは体内で卵に受精させます。
そしてオスが見守るなか、メスは卵を産み付けていきます。
メスをめぐってオス同士で争うことも。
みんな必死なので、いったん産卵が始まると、ダイバーが近づいても逃げることはありません。
大きなイカが目の前を乱舞する光景は圧巻♪

大瀬崎、井田、串本、越前など、evisツアーでよく行くビーチポイントではこの時期たいてい見ることができます。

産み付けられた卵は、ながーい豆の房のようにつながって、白い寒天質の袋に入っています。
20日ほどで孵化し、浅場で15〜20cmくらいまで成長し、冬になると深場へ移動していきます。

夏場の越前では、初夏に生まれた若いアオリイカの群れに会うことができます。

アオリイカの寿命は1年で、翌年の夏、産卵を終えると死んでしまいます・・・
アオリイカ一生に一度の感動的なネイチャーシーンを是非見に行きましょう!!

2009.05


©ずかんくん