無料説明会を予約する

スタッフブログ

Staff blog

SDI(スキューバダイビングインターナショナル)というダイビング指導団体について その1

加藤大典ブログ


こんにちは。今回のブログではevisも加盟するダイビング指導団体SDIについて数回に分けてお話したいと思います。

TDI(テクニカルダイビングインターナショナル)の姉妹団体です。

もともと遊び(レクリエーション)のスキューバダイビングは、軍隊的な限られた人しか行えない遊びでした。50年ほど前から、誰でもある程度の適性があれば簡単に安全に楽しめるように、現在のダイビングスタイルに形が整っていきました。これによりスキューバダイビングで世界中で多くの人が水中世界を楽しむことができるようになりました。

これは素晴らしい功績ですが、簡単に安全に潜るために、ダイビングの範囲をせまく制限することで達成できたともいえます。小難しいことはパンドラの箱の中に閉じ込めてしまったのです。

しかし、趣味のダイバーたちの水中世界への探求心がやむことはありません。アメリカでもヨーロッパでも既存の範囲を超えることによってダイビング事故が起こることが現在も続いています。
特にアメリカは自由の国ですから、自己責任で無謀なダイビングを行い多くの方が命を落としました。
そして現在の日本でのダイビング事故の多くも実は制限範囲を超えることによって起きています。このことは日本のダイバーさんたちに気づいてほしい事実です。

いまから30年ほど前から、テクニカルダイビングという分野が生まれ、ダイバーの好奇心の先の世界を安全に潜れるようにテクニカルダイビングの指導団体が生まれました。そしてTDIも1990年代に発足しました。テクニカルダイビングはレクリエーショナルダイビングです。つまり遊びのダイビングです。しかし大深度潜水や洞窟潜水を行うために、軍事ダイビング、科学ダイビングなどのプロフェショナルのノウハウからより遊びのダイビングに特化させて洗練されてきたものです。今も現在進行形で進化しつづけるのがテクニカルダイビングです。

世界最大のテクニカルダイビング指導団体であるTDIから派生して生まれたのがSDIです。

なぜSDIが生まれたのか?

TDIでテクニカルダイビングを始めたインストラクターたちは、通常のダイビング指導法に対して矛盾を感じるようになりました。それは当然の成り行きです。
なぜなら、それまでのレクリエーショナルダイビングは、よくシステムを簡素化し簡単に誰でも学べるように作り上げています。つまり範囲をせまくして、様々なダイビングに関わる情報を制限してきた分野だったからです。その分野がスタートした時の枝葉であって、技術革新していくダイビングの幹を知ることはなかったからです。

そこでTDIインストラクターたちが求めたのは、ダイビングの入門コースの伝統化されてきたレクリエーショナルの無駄な部分を省き、より理論化し矛盾なくし、さらに器材の進化に伴い、洗練させたスポーツダイビング指導団体でした。

テクニカルダイビングの分野が新しいレクリエーショナルダイビングの範囲拡張されたものだとすると、それが現代におけるアドバンスドダイビングの分野といえます。
そのアドバンスドな分野を踏まえ刷新されたベーシックなダイビング指導団体がSDIなのです。

このような経緯で生まれた指導団体ですから、ここではじめたダイバーたちに、ここでしか知ることのできない情報やこれから楽しむダイビングの可能性の広さに大きな恩恵が受けられます。大げさではなく、遊びのダイビングの世界を何十倍にも拡張してくれる受け皿があります。それはあたりまえの遊びのダイビングに革新的なダイビング技術や知識開発をもたらすメリットは大きく、その先にはよりアドベンチャーな探検的なダイビングの楽しみ方やハイレベルな捜索活動や水中考古学ダイビングなど、より安全で拡張された趣味として、そして各分野のプロフェッショナルたちにもダイビングの可能性を広げてくれます。

SDIは日本では2016年にスタートした指導団体ですが、世界的には、まだ20数年の指導団体であるにも関わらず世界でトップ3に入る規模の指導団体に急成長しています。これは求められて得られた実績であると思います。日本国内でも質の高いダイビングインストラクションを顧客に提供したい意欲のあるインストラクターがクロスオーバーを始めています。現場に関わる立場として日本のダイビングの未来のひとつがここにあると信じてやみません。


次回は、SDIのダイビング哲学やこれまで変革してきたことなどについて書いていきたいと思います。


written by かとう だいすけ