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単独潜水(ソロダイビング)は危険なのか? パート1

加藤大典ブログ

遊びのダイビングの世界では、バディシステムがあたりまえで安全という神話があります。

本当にそうなのでしょうか?

ダイビングの安全について、本質的に考えてみましょう。



加藤大典といえば、
単独潜水の!  とか 1人で潜るんですよね?
と初対面の方に言われることもあります。

ソロダイビングについて、
講演会で呼んでもらったり、ダイビング雑誌で取り上げられたこともあるからだと思いますが、一人で潜ることを推奨しているわけではありませんよ。
※最後にJCUEセミナーの記事をリンクしておきます。


SDIソロダイバーコースをどのような目的で、PRしているのか?
まずはここからお話ししたいと思います。



まず始めにお伝えしたいことは、

さあ、みなさん!単独潜水をやりましょう!と言っているのではありません。

SDIソロダイバーというコースに参加してもらうことで、
安全について気づいてもらえることがたくさんあるからです。

一番の目的は、
本当の意味での自立したダイバーになり、普段のダイビングでの安全について考えてほしいからです。


まずは実際のみなさんのダイビング環境を想像してみてください。

バディからエア切れのサインがでています。
すぐにオクトパスなどのオルタネイトエアソースを渡せますか?

もしくはあなたがエア切れになりました。
エア切れサインをだして息が切れる前にバディからオクトパスがもらえると思いますか?



そのあたりは大丈夫と言える人は、とてもよい環境にいると思います。
しかし多くの環境では、確実ではないのではないかと思います。

本来、バディシステムの定義は、
自立したダイバー同志が、シンプルなルールと器材で、お互いをサポートして安全性を高めて潜る。
という考え方です。

この定義の上に成り立っているバディシステムですが、本来必要なことが、忘れ去られていないでしょうか?

SDIソロダイバーコースは、アドバンスドダイバーで100ダイブの経験者から参加できるコースです。
充分に資格も取ったから、あとは遊ぼう!!と思う方も多いでしょう。
そしてダイビングの経験も十分に積み、安全に対して気がゆるむ頃でもあると思います。

ダイビングになれた頃が一番気を付けなくてはいけません。

自立ダイバーとは、一人で潜ることができること。
といっても過言ではないのではないでしょうか?
SDIソロダイバーコースで、一人で潜ることを習うことによって、
本当の自立ダイバーがなにかわかるようになります。

『SDIソロダイバーは良きバディになる』ということです。

しかしバディシステムって、ソロダイビングより難しい面もあります。

なぜなら、自分の事以外にバディのことにもアウェアネス(意識すること、周囲への注意力)を働かせなくてはいけないからです。
つまり自立ダイバーの上の相互依存ダイバーでなくてはなりません。
※相互依存とは、それぞれがしっかりと自立ができているうえで、状況によっては、お互いに依存し合うこともできる関係性のことです。




そして二番目の目的は、
すでに危険な単独潜水をしていて、運よく生き残っている人たちに、
運悪く命を落とすようなことがないようにダイバーとしてアップデートと振り返りをしてほしいのです。

車の運転と同じく、ダイビングにも潜在的なリスクはありますから、
どんなに整えても100%安全はないかもしれません。
しかし方法が正しければ、当たり前に安全確立は高くなります。

範囲を狭くすることだけが安全ではありません。
範囲をせまくしてもそれに必要なことが欠けていたら事故は起こります。
本来の安全とは、その範囲に見合った十分な能力を持つことです。

SDIソロダイバーコースではソロダイビングを行うスキルやノウハウを伝えています。
しかしそれだけをソロダイバーインストラクターは大切にしているわけではありません。

もっとも大切にしているのは、マインドです。
スキルが高いから、能力が高いから、器材が整っているから、ノウハウがあるから、安全ではないのです。
このコースで求められるのは、そのダイビングごとに自分の能力を正しく評価し判断できる能力を身につけることです。

単独潜水で命を落とす人の傾向は、
他人のアドバイスを聞き入れません。
さらに自分でもうっすら分かっているけど、プライドや潜りたいという気持ちに押されて、
自分の心(理性的な心や直感)の声を聞かず、無理に潜ってしまう人たちです。
自分の心の声すら無視しているのです。

このコースを担当するインストラクターは、講習生に正しいマインドをもってもらうことを大切にしています。


まとめますと、
よきダイバーになってもらうための大切なことが学べます。

これまで通りのダイビングをしたい人も、

ソロでダイビングを楽しみたい人も、

100ダイブ以上の経験をした人には誰もが受講してほしいと願っています。

シリーズ
単独潜水(ソロダイビング)は危険なのか? パート2はこちら

外部セミナーレポート
JCUEセミナー『ソロ(単独)潜水はバディシステムより危険なのか?』


written by かとう だいすけ